家電店に行くと電気ヒーターに「ハロゲン」「カーボン」「グラファイト」「シーズ」「セラミック」などの、あまり馴染みのない単語が商品名となっています。おそらく材質や仕組みなどが違うのだろうということは分かりますが、メリット、デメリットなどはなかなかイメージできませんね。
この記事では各電気ヒーターの簡単な説明と、メリット/デメリットについて簡単に解説します。
寒くなる季節に向けて電気ヒーターを購入する際にご参考いただければ幸いです。
目次
電気ヒーターの説明/比較表
遠赤外線ヒーターとは?
まずヒーターの種類について解説しますね。ヒーターには大きく3タイプに分けられ「ファンヒーター」「遠赤外線ヒーター」「オイル/パネルヒーター」があります。
遠赤外線ヒーターとはヒーター全般の中でも「遠赤外線を利用して暖をとるヒーター」に付けられる名称です。
ニクロム線電気ストーブ
簡単な説明
昔からある一般的な電気ストーブです。発熱体に「石英管に覆われたニクロム線」を使用しています。ニクロム線に電気が通ることで「輻射熱」(ふくしゃねつ)を発してものを暖めます。本体価格は安い(2000円程度~)ですが遠赤外線ヒーターの中でも暖房能力は低く、導入コストを安くすませたい人におすすめです。
メリット
・本体価格が安い
・衝撃につよい(壊れにくい)
デメリット
・暖房能力は低め
・消費電力の割には暖かく感じない
・ストーブの近くだと肌がヒリヒリする。
ハロゲンヒーター
簡単な説明
カーボンヒーターが登場する前の時代に普及していたヒーター。発熱体に「ハロゲンランプ」を使用しています。赤外線輻射熱により暖めますが、遠赤外線の放出量は少ないためカーボンヒーターと同じ暖かさにしようとすると少し電気代が高くなります。本体価格は安め(5000円程度~)となります。
メリット
・速暖性がすごく高い(瞬く間に暖かくなる)
デメリット
・衝撃に弱い
・消費電力が高め
カーボンヒーター
簡単な説明
性能と本体価格のバランスが良いヒーター。発熱体に「石英管に覆われた炭素繊維(カーボン)」を使用しています。ニクロム線、ハロゲンランプと比較し遠赤外線の放出量が多いため体の芯まで暖まりやすい。本体価格も手ごろな値段(6000円程度~)からあり暖房能力も良いため、こだわりが無ければ一番購入をおすすめできるヒーターです。
メリット
・暖房能力が高い(遠赤外線放出量が多い)
・消費電力の割には暖かく感じる
・速暖性が高い(すぐ暖かくなる)
・費用対効果が高い
デメリット
・衝撃に弱い
グラファイトヒーター
簡単な説明
カーボンヒーターの一種。発熱体に「石英管に覆われた黒鉛(グラファイト)」を使用しています。カーボンヒーターと比較し遠赤外線の放出量が多く、電源ON後の暖まりも早いです。イメージとしてはカーボンヒーターの上位機種という感じ。本体価格はその分高くなり7000円程度からあります。
メリット
・暖房能力が更に高い(遠赤外線放出量が多い)
・消費電力の割には暖かく感じる
・速暖性が高い(すぐ暖かくなる)
デメリット
・衝撃に弱い
・本体価格が高い
シーズーヒーター
簡単な説明
カーボンヒーターの一種。発熱体に「絶縁体と金属管で覆われたニクロム線」を使用しています。名前の由来は金属管を発熱体が金属管(シース)に覆われているところから来ました。カーボンヒーター/グラファイトヒーターと比較しても遠赤外線の放出量が多く、とても暖かく感じます。
シーズーヒーターの特徴として衝撃に強いという特徴があります。これは他のヒーターは発熱体を割れやすい石英管で覆っているのに対し、金属管を使用しているため衝撃に強くなっています。しかし、速暖性は良くなく、暖かく感じるのに電源をONにしてから1分程度掛かります。
遠赤外線ヒーターの中では上位機種の立ち位置ですが、とても暖かく頑丈なのに対し速暖性が低いというメリット/デメリットを持っています。速暖性の低さが気にならなければ長年愛用できる暖房器具になります。
また各社によって名称は「コアヒート」「メタルヒート」「セラムヒート」「ステンレスヒーター」など様々です。これは金属管に施すコーティングにより各社が独自に名称を付けているからのようです。
メリット
・暖房能力が最もに高い(遠赤外線放出量が最も多い)
・衝撃に強い
・消費電力の割には暖かく感じる
デメリット
・速暖性が低い(暖かくなるのに時間が掛かる(1分程度))
・本体価格が高い
まとめ
おすすめの電気ヒーターはずばり「カーボンヒーター(グラファイトヒーター)」と「シーズヒーター」です。
カーボンヒーターは暖房能力と価格のバランスも良く、速暖性も高いため扱いやすいです。ただし衝撃には弱いので倒したりしないように注意しましょう。お財布に余裕があるのならば上位機種であるグラファイトヒーターを購入しても良いでしょう。
シーズヒーターは最も遠赤外線の放出量が高く、構造的にも頑丈なので長年愛用することができます。ただし速暖性が低い短所を持っていますので、「電源ONにしたらすぐに暖まりたい」というこだわりがあるのならばカーボンヒーター(グラファイトヒーター)を購入するのが良いでしょう。